チリントゥについて

紅型とは

工房チリントゥをご紹介する前に、まず紅型のことから簡単に・・・。

紅型(びんがた)とは沖縄の伝統的な染め物であり、また日本を代表する型染めのひとつです。
発祥は沖縄と呼ばれる前の琉球時代、中国などと盛んに国交していた琉球王朝で王族達の着る衣装などが 王朝おかかえの職人達によって染められていました。
古紅型の模様には、日本の模様も多数見られます。聞くところによれば、京都の友禅や能の衣装で使われた模様が 当時の琉球王朝へ伝来したのではないかということです。
それらを模写して染めたものが今、古紅型として受け継がれており、 模様に関しては伝来をたどると大変興味深いものがあります。
また、中国王朝の衣装の模様を模写したものが、現在も踊り衣装の模様に見られたりと、 様々な国と国交があった琉球だからこそ生まれた極めて貴重な染物であると思います。
技法に関しても同様に、多国の影響を受けていると思われます。

工房チリントゥについて

2005年4月に工房チリントゥとして始めます。
代表はデザイナー兼制作者の戸谷真子。

チリントゥは、この紅型の伝統的手法を守り受け継ぐとともに 、京都の風土や作者の想いをのせたあたらしいテキスタイルを発信しています。

模様のデザインから染め上げまでを一貫しておこなっている工房は京都でも少ないのではないかと思います。
技法はもちろんのこと、とくにデザインにこだわりを持ち、表現方法を追求しており、 常に『自分らしいデザインとは何か?私だからできることとは何か?』と問いかけながら、日々の制作をしています。

また小物だけでなく『作家・戸谷 真子』としての活動も。
帯・着物の制作とともに、今後は和装の普及へも努めていきたいと現在取り組み中です。 お客様の一生の宝となるような帯とお着物の制作をさせていただくことは、 この上ない喜びであり、生きがいと言ってもいいかもしれません。
真っ白な生地が、一つずつ工程を踏むことで、やがて色とりどりの布へと変わることは 言葉で言い表せれない感動と喜びがあります。 これらは、驚くべき手作業によってうまれています。
どうぞ一度この布をお手にとって触れていただければ、幸いです。

作者のプロフィールは、こちらからご覧頂けます。

こだわりとは

チリントゥでは、デザインから染め上げるまでの制作を一貫しておこなっています。すべて手作業により、はじめから終わりまでひとりの制作者が責任をもって作り、常に高いクォリティーをめざして制作を続けています。そんな中でもとくにこだわりの部分とは…

すべてが伝統的手法

こちらの工房で制作するものはすべてが紅型の伝統的手法で作られています。それは工程だけにとどまらず、道具にいたるまで昔からの手法を取り入れています。取り入れるというよりも、継承しているといったほうがいいかもしれません。というのも、紅型は各工房によってそれぞれ道具なども少しずつ違ってきますので、私の場合は知念紅型工房でのやり方をしていることになります。

この伝統的な手法を全く崩さず大切に守っているのは、お師匠さんが技術だけではなく紅型の歴史も全部ひっくるめて私に伝えてくれたためです。昔からの技術や道具を使うことの背景にある重みを知りました。なので、手間ひまかかる工法も私にとってはどれも省くことのできない大事なものになっています。穏やかな師匠ですが、それでも師匠の背中から言葉の端々から紅型に対しての誇り、尊敬する気持ちを感じていました。

沖縄の工房を離れ京都で紅型をして数年ですが、技術だけでなくてその背景が体に染み込んでいることが、今は私にとって大きなものになっています。

デザイン

チリントゥでは伝統的手法を大切にしながらも、デザイナー戸谷真子独自のデザインを展開しています。

紅型の古典的な柄は、その多くが中国や日本から渡ったデザインが元になっています。 異国の文化が交じり合う当時の琉球では、舶来品の模様を染めた紅型は最高のお洒落だったのではないでしょうか。
まだ庶民には着用は許されていない時代のことです。
ところが、戦後の沖縄の紅型では沖縄のアイデンティティーを取り戻すべく、 それまでになかった沖縄の植物・生き物などがデザインされるようになりました。
私の師匠もそのひとりです。
そんな師匠から私に「あなただけしか作れない紅型をしなさい」と言われたひとことから、 誰もが染められる古典柄ではなく私しか作れない紅型を染めていこうと思うようになりました。

京都に移ってからは伝統的な柄から離れ、そのときに感動したこと、大切に思うものなどを自由にデザインしています。 そして大切にしているのが「静よりも動」ということ。動きのあるデザインを心がけています。
デザインについては、デッサンから始まることもあれば空想をスケッチブックに描いていくことから生まれるものもあります。 連続柄であれば、上と下がつながるようにパターンを作っていきます。

下絵ができたら、型紙に写して小刀で彫っていきます。型の面白いところは下絵がデザインの完成ではなく、彫っていく最中にも常に変化し、彫り上げることでさらにデザイン化していっているところです。

私だけしか作れない紅型・・・というのが最終的にどんなふうになっていくのか、これから先も自分の変化を楽しみにしています。